不断水内視鏡カメラ開発にあたり
掘り返される道路を見つめて
当社の創業者はかつて、水道管の修理のためにあちらこちらの道路が掘り返されている光景を、幾度となく目にしていました。管の中の状態を確かめるには、いったん地面を掘り起こすほかに方法がなかったからです。
もし管の中を直接見ることができるカメラがあれば、現状をすぐに把握でき、問題点に応じた適切な維持管理によって、水道管そのものの長寿命化にもつながるのではないか。創業者の頭には、そんな思いが芽生えていました。
「見るには掘るしかない」という壁
水道局の職員の方々にこの構想を話すと、「それができたら本当にいいね」という声が返ってきました。しかし冷静に考えれば、水道管の内部を見るためには管そのものを掘り出す必要があり、それは当然のことのようにも思われました。
突破口となったのは、地下式空気弁内蔵消火栓やボール式消火栓の開発に携わる中で得た気づきです。日頃何気なく目にしていたボール式補修弁のすぐ下には、本管が通っている——この当たり前の事実に、あらためて光が当たりました。ある人との会話の中で、「本管に直接アクセスできるのは、この補修弁か急速空気弁の下しかない」という言葉を得たのです。幸い、当社はその補修弁を自社で製造していたことから、この構想に本格的に取り組む道が開けました。
「不断水」という答え、そして未来へ
周囲からは「そんなカメラがあれば願ってもないことだ」という声が寄せられました。既設の施設を活用し、水を止めることなく管内を調査できれば、土工事そのものを大幅に減らせるのではないか——その確信が、開発への挑戦を後押ししました。
土工事をせず、断水することもなく水道管の内面を調査できれば、仕事は早く、安く、そして確実になり、水道インフラの維持管理という分野を大きく前進させられる。この創業者の想いこそが、不断水内視鏡カメラという技術の原点です。
今日私たちが提供する技術は、この一つの発想から生まれました。これからも、暮らしを支える水道インフラの「今」を確かな目で捉え、次の世代へと引き継いでいくために、技術の研鑽を重ねてまいります。

