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2026年08月10日

アセットマネジメントを支える「不断水管内カメラ調査」の重要性

水道管路の老朽化が全国的な課題となる中、水道事業では限られた予算で資産を適切に維持・更新する「アセットマネジメント」が重要視されています。

アセットマネジメントとは

アセットマネジメントとは、水道施設や管路などの資産(アセット)の状態を正確に把握し、ライフサイクル全体を見据えながら、最も効果的・効率的な維持管理と更新を行う手法です。その基礎となるのが、実管路の現状を伺う不断水管内カメラ調査が有効な手法の1つであると考えます。

管路内部が見えなければ、適切な判断はできない

水道管は地中に埋設されているため、外観から内部の状態を確認することはできません。設置から40年、50年が経過した管路でも、運用の状況下により内部状態には大きな差があります。

  • 腐食がほとんど進行していない管路

  • 鉄さびやマンガンが付着している管路

  • 土砂が堆積している管路

  • モルタルライニングに劣化が見られる管路

  • 継手部や分岐部に異常が発生している管路

これらを把握せずに更新計画を立てることは、医師が検査をせずに治療方針を決めることと同じです。不断水管内カメラ調査は、管路内部の「見える化」を実現し、維持管理計画に必要な客観的データを提供します。

不断水管内カメラ調査の最大の特徴は、水を止めることなく調査を実施できることです。通常、断水を伴う調査では、利用者への周知やバルブ操作、応急給水など多くの準備が必要となり、調査そのもの以上に時間と費用を要する場合があります。

  • 不断水であれば、日常の給水を維持したまま管路内部を調査できるため、

  • 市民生活への影響を最小限に抑えられる

  • 調査対象を拡大しやすい

  • 計画的な点検を継続しやすい

  • 調査頻度を高め、経年変化を追跡できる

といった大きなメリットがあります。

「異常を探す」から「資産を評価する」へ

不断水管内カメラ調査の目的は、単に異常箇所を発見することだけではありません。管内映像から、

  • 腐食の進行状況

  • ライニングの健全性

  • スケールや堆積物の状況

  • 洗浄が必要な区間

  • 更新を優先すべき区間

などを総合的に評価することで、管路の健全性を判断できます。つまり、不断水管内カメラは資産の健康診断を行うための技術です。

点ではなく「時系列」で資産を管理する

アセットマネジメントでは、一度の調査結果だけでは十分とはいえません。同じ管路を5年後、10年後にも調査し、内部状態の変化を比較・分析することで、劣化速度や維持管理の効果を把握できます。

不断水管内カメラ調査は、映像という客観的な記録を残せるため、経年変化を追跡しやすく、更新時期の判断精度向上にも大きく貢献します。こうしたデータの蓄積こそが、アセットマネジメントの質を高める重要な要素です。

調査データを維持管理へつなげる

不断水管内カメラ調査で得られた情報は、単なる記録ではありません。調査結果をもとに、

  • 超音波流量測定による配水状況の確認

  • 特殊ピグによる管路洗浄の実施

  • 更新優先順位の見直し

  • 中長期的な更新計画への反映

など、次の維持管理へつなげることが重要です。「調査」で終わるのではなく、「維持管理計画へ活用する」ことこそが、不断水管内カメラ調査の本当の価値といえます。

おわりに

無論、地震大国である日本では管路の耐震化は重要な項目である事は当然ですが、国土交通省によると、令和4年度の管路更新率は約0.64%です。これは年間に更新される水道管が全体の0.64%しかないことを意味します。現在のペースでは、単純計算ですべての水道管を更新するのに約150年以上かかる水準です。

これからの水道事業に必要なのは、老朽化した管路を一律に更新することではなく、現状を正確に把握し、データに基づいて資産を適切に管理することです。不断水管内カメラ調査は、水道を止めることなく管路内部を詳細に可視化し、アセットマネジメントに必要な客観的データを提供する技術です。

調査によって得られた情報を維持管理計画へ活かし、必要に応じて流量測定や管路洗浄を組み合わせることで、水道資産の長寿命化、更新費用の最適化、安全で安定した給水の実現に貢献します。

不断水管内カメラは、単なる点検機器ではなく、水道資産の価値を未来へつなぐための「アセットマネジメントの基盤技術」です。今後さらに高まるその重要性に応えるべく、弊社はこれからも技術の研鑽と品質向上に全力で取り組んでまいります。